2025.01.10ブログ
法悦 1月
2025年1月
法 悦1月号 892号
あなたが自己を認識したければ
世界のうち
あらゆるものに
目を向けなさい
あなたが世界を認識したければ
あなたのうち
自身の深みに
目を向けなさい
ルドルフ・シュタイナー
青色青光
ルドルフ・シュタイナー(1861-1925)は、ドイツ、オーストリアで活躍した
思想家、哲学者、教育者です。知識偏重教育に対する疑問から、子ども達の
感情や意志に働きかける「総合芸術としての教育」を構想し、教育現場でその
理念を実践しました。
そういった取り組みに賛同する、いわゆるシュタイナー学校が、現在
60数カ国に約1,000校が開校され、世界規模の運動となりました。
日本でも不登校児が急速に増加するなか、シュタイナー学校の理念を
取り入れたフリースクールが、学校法人として認可され始め、多くの注目を
集めています。
そういった理念とも相通じるものが、黒柳徹子さんの「窓ぎわのトット
ちゃん」の舞台となったトモエ学園で、音楽教師だった小林宗作氏が欧州で、
リトミックを学び、ワルドルフ学校(シュタイナー学校)をはじめ、
さまざまな新しい教育を実践している学校を訪ね、子ども達の自由な表現や、
自発的な意志が育まれていく教育に大きな感銘を受け、帰国後、問題児と
見られていた子ども達の為に新たに設立したものでした。
仏教に於ける救いの根本は自己受容というところにありますが、
トモエ学園のどこまでも子ども達自身の持つ伸びる力を信じるあり方は、
「我が名称えよ、そのまま迎えん」という阿弥陀様の呼びかけを聞きひらく、
お念仏のみ教えにも通底していると言えましょう。
住職日々随想
今回の第216国会に於いて石破首相が所信表明演説の中で紹介して
おられた石橋湛山は、「一切を棄(す)つるの覚悟」(東洋経済新報・大正
10年社説)で朝鮮、台湾、満州などの植民地、権益の放棄を主張し、
「大日本主義の幻想」(同)で軍事力による膨張主義を批判し、平和な
貿易立国を目指す「小日本主義」を提唱しました。
そして「いかなる民族といえども、他民族の属国たるを愉快とする
ごとき事実は古来ほとんどない」と、植民地の人々の心情に対する、
日本人の想像力の欠如を指摘し批判しました。
事実、第二次世界大戦以後、世界中の植民地で独立の気運が高まり、
多くの国や地域が、宗主国からの独立を果たしました。
殊に「パクス・ブリタニカ」と称され、19世紀から20世紀初頭
まで、世界に覇を唱えた大英帝国も、植民地経営の力を失い、
いくつかの小さな島国を除き、イギリス連邦と言われる緩やかな
連合体を残して、今に到っています。
昨今、日本の経済的地位の低下に対する反動からか、「日本は
すごい国なんだ」と主張する言説が、特にネット空間などで多く
見られるようになってきましたが、それは湛山の言う「大日本主義
の幻想」を捨てきれずにいるから、と言えないでしょうか?
遣隋使、小野妹子を中国に派遣した聖徳太子の伝記「聖徳太子伝暦」
には、「敬礼救世観音、伝灯東方粟散王」と記されています。
その中にある「粟散辺土(ぞくさんへんど)」とは日本の異名、
粟の様に散在する小国土の意味で、歴史学者の伊藤聡氏は、太子伝
以降、粟散辺土を日本の別称とするという理解が広まったと述べて
おられます。
親鸞聖人もこの伝記を受けて「尊号真像銘文」に、新羅国より
日羅という聖人がやってきて、聖徳太子を礼して「敬礼救世観音
大菩薩」と、聖徳太子は仏法のともしびを、この和国にお伝え
くださる救世観音に違いないと述べ、「粟散王ともうすは、
このくにはきわめて小国なりという。粟散というは、あわつぶを
ちらせるがごとく、ちいさきくにの王と聖徳太子のならせたまい
たるともうしけるなり。」と記しておられます。
大陸から見れば辺境の小さい国、ではあるけれども、日出ずる国、
しかも和をもって貴しと成す、言わば平和を希求する「和国」
としての誇りを持つ国という。 湛山の言を俟つまでもなく、
我々も和国の精神に立ち帰るべき時代に来ているのではないでしょうか。
真宗入門「日取りの迷信」
日の良し悪しはあるのでしょうか?
「六曜」(先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口)これは中国の時刻・
日の吉凶占いが、室町時代に日本に伝わったもので、それが日本
独自の形になり、江戸時代から一般的に使われるようになった
と言われています。
友引は「共引」と書き「共に引き合い勝負なし」、仏滅は「物滅」と
書き「物がなくなる」と、勝負事の占いなどに使われていました。
友引は「友を引く、友を道連れにする」とも言われ、葬儀を
行わないようにし、仏滅は「仏も滅する、最も凶の日」と祝い事は
避けられ、逆に大安は「大いに安し、万事に良い日」と婚礼などが
多く行われていますが、仏教の教えとは関係のない「迷信」です。
どうして、迷信に惑わされるのでしょうか?私達が何かを
決めなければならないとき、占いや「他人がいうから」と世間の
考えで決定しようとします。
それは自分にとって都合の悪い事が起ったとき、世間のせいに
押しつける自己中心的な心の表れなのです。
私達の人生は都合の悪い事の方が多いかもしれません。
迷信とは、私達の都合を根とした自己中心的な心であり、人間
として本当に大切な事、後生の一大事を忘れている姿なのです。
真宗のみ教えは、あらゆる迷信に惑わされることなく、
どんな苦悩も引き受けて生きていくことが出来る道があることを、
私達に教えて下さっています。
どんな日も、私達に取ってはかけがえのない一日なのです。
法語の味わい
ー法語カレンダー1月号よりー
今年もあえた元旦会
阿弥陀様にご挨拶
当寺では、年末31日は除夜の鐘を撞くためにお参り下さった
皆様と、年の瀬勤行をお勤めし、共にその一年を振り返ります。
そして、勤行の終わった方から鐘楼に上がって頂き過ぎゆく
一年、迎える一年と高らかに鐘を撞いていかれます。
数分の間に新年となり、また本堂に入って阿弥陀様にご挨拶
されます。
真夜中なのですが、この日ばかりは新年となり、すがすがしい
気分で、阿弥陀様にご挨拶いたします。
コロナ禍では飛沫を避け、お茶のもてなしは失礼していました
が、ようやく本堂に皆様をお迎えできます。
阿弥陀様にご挨拶ください。
阿弥陀様も暖かいまなざしでお待ち下さっておられます。
南無阿弥陀仏
坊守便り
ー 阪神淡路大震災30年 ー
今年の秋から冬にかけて、何度か研修に参加致しました。
阪神淡路大震災発生から、三十年の節目となる年ということ
もあり、三度、神戸に伺う機会を得ました。
坊守会の研修では、寺院での学習と共に、阪神淡路大震災の
足跡も辿らせて頂く事となり、常時無料開放された屋外見学施設
である「神戸港震災メリアルメモリアルパーク」を訪ねました。
被災したメリケン波止場、崩れた岸壁、傾いた街灯など、
当時そのままの姿で保存されていました。
また安泉寺の日帰りバスツアーでは、防災・減災の世界的
拠点となることを目的とされている施設である
「人と防災未来センター」にまいりました。
震災発生の瞬間を再現した迫力のある映像上映や、被災者から
提供された数多くの資料展示もあり、衝撃を感じつつ学ばせて
頂きました。
また生野区仏教会研修では、東遊園地に伺いました。
1・17震災のつどいが行われている所ですが、ここに慰霊と
復興のモニュメントがあり、犠牲者の慰霊と市民の励ましの場
となっています。
また五月には能登地震の被災地に伺いました。
復興への道のりは長く、生活の復旧はまだまだです。
阪神淡路大震災から30年、伝え続けて下さるボランティアの
方々のお話を伺い、震災の遺構を巡り、災害復興への連帯の
メッセージを頂いてまいりました。
この安泉寺の在る生野の地からもお伝えし、協力して
いけたらと思うことです。 合掌
一月の行事
26日(日) 正午~ 同朋の会新年会
30日(木) 午前10時半~ ピラティス
*一月は1日より5日まで、お寺よりのお参りは
お休みさせていただきます。
二月の行事
6 日(木) 午前10時半~ ピラティス
15日(土) 午後2時~ 祥月講・同朋の会聞法会
♪ オリジナルソングとご法話の集い
ご講師 鈴木君代師・天白真央師
20日(木) 午前10時半~ ピラティス
ー P S ー
子供は先生の計画にはめてはいけない
自然の中へ放りだしておけ
先生の計画より子供の夢のほうがよっぽど大きいよ
小林宗作
あなたが自己を認識したければ
世界のうち
あらゆるものに
目を向けなさい
あなたが世界を認識したければ
あなたのうち
自身の深みに
目を向けなさい
ルドルフ・シュタイナー
青色青光
ルドルフ・シュタイナー(1861-1925)は、ドイツ、オーストリアで活躍した
思想家、哲学者、教育者です。知識偏重教育に対する疑問から、子ども達の
感情や意志に働きかける「総合芸術としての教育」を構想し、教育現場でその
理念を実践しました。
そういった取り組みに賛同する、いわゆるシュタイナー学校が、現在
60数カ国に約1,000校が開校され、世界規模の運動となりました。
日本でも不登校児が急速に増加するなか、シュタイナー学校の理念を
取り入れたフリースクールが、学校法人として認可され始め、多くの注目を
集めています。
そういった理念とも相通じるものが、黒柳徹子さんの「窓ぎわのトット
ちゃん」の舞台となったトモエ学園で、音楽教師だった小林宗作氏が欧州で、
リトミックを学び、ワルドルフ学校(シュタイナー学校)をはじめ、
さまざまな新しい教育を実践している学校を訪ね、子ども達の自由な表現や、
自発的な意志が育まれていく教育に大きな感銘を受け、帰国後、問題児と
見られていた子ども達の為に新たに設立したものでした。
仏教に於ける救いの根本は自己受容というところにありますが、
トモエ学園のどこまでも子ども達自身の持つ伸びる力を信じるあり方は、
「我が名称えよ、そのまま迎えん」という阿弥陀様の呼びかけを聞きひらく、
お念仏のみ教えにも通底していると言えましょう。
住職日々随想
今回の第216国会に於いて石破首相が所信表明演説の中で紹介して
おられた石橋湛山は、「一切を棄(す)つるの覚悟」(東洋経済新報・大正
10年社説)で朝鮮、台湾、満州などの植民地、権益の放棄を主張し、
「大日本主義の幻想」(同)で軍事力による膨張主義を批判し、平和な
貿易立国を目指す「小日本主義」を提唱しました。
そして「いかなる民族といえども、他民族の属国たるを愉快とする
ごとき事実は古来ほとんどない」と、植民地の人々の心情に対する、
日本人の想像力の欠如を指摘し批判しました。
事実、第二次世界大戦以後、世界中の植民地で独立の気運が高まり、
多くの国や地域が、宗主国からの独立を果たしました。
殊に「パクス・ブリタニカ」と称され、19世紀から20世紀初頭
まで、世界に覇を唱えた大英帝国も、植民地経営の力を失い、
いくつかの小さな島国を除き、イギリス連邦と言われる緩やかな
連合体を残して、今に到っています。
昨今、日本の経済的地位の低下に対する反動からか、「日本は
すごい国なんだ」と主張する言説が、特にネット空間などで多く
見られるようになってきましたが、それは湛山の言う「大日本主義
の幻想」を捨てきれずにいるから、と言えないでしょうか?
遣隋使、小野妹子を中国に派遣した聖徳太子の伝記「聖徳太子伝暦」
には、「敬礼救世観音、伝灯東方粟散王」と記されています。
その中にある「粟散辺土(ぞくさんへんど)」とは日本の異名、
粟の様に散在する小国土の意味で、歴史学者の伊藤聡氏は、太子伝
以降、粟散辺土を日本の別称とするという理解が広まったと述べて
おられます。
親鸞聖人もこの伝記を受けて「尊号真像銘文」に、新羅国より
日羅という聖人がやってきて、聖徳太子を礼して「敬礼救世観音
大菩薩」と、聖徳太子は仏法のともしびを、この和国にお伝え
くださる救世観音に違いないと述べ、「粟散王ともうすは、
このくにはきわめて小国なりという。粟散というは、あわつぶを
ちらせるがごとく、ちいさきくにの王と聖徳太子のならせたまい
たるともうしけるなり。」と記しておられます。
大陸から見れば辺境の小さい国、ではあるけれども、日出ずる国、
しかも和をもって貴しと成す、言わば平和を希求する「和国」
としての誇りを持つ国という。 湛山の言を俟つまでもなく、
我々も和国の精神に立ち帰るべき時代に来ているのではないでしょうか。
真宗入門「日取りの迷信」
日の良し悪しはあるのでしょうか?
「六曜」(先勝、友引、先負、仏滅、大安、赤口)これは中国の時刻・
日の吉凶占いが、室町時代に日本に伝わったもので、それが日本
独自の形になり、江戸時代から一般的に使われるようになった
と言われています。
友引は「共引」と書き「共に引き合い勝負なし」、仏滅は「物滅」と
書き「物がなくなる」と、勝負事の占いなどに使われていました。
友引は「友を引く、友を道連れにする」とも言われ、葬儀を
行わないようにし、仏滅は「仏も滅する、最も凶の日」と祝い事は
避けられ、逆に大安は「大いに安し、万事に良い日」と婚礼などが
多く行われていますが、仏教の教えとは関係のない「迷信」です。
どうして、迷信に惑わされるのでしょうか?私達が何かを
決めなければならないとき、占いや「他人がいうから」と世間の
考えで決定しようとします。
それは自分にとって都合の悪い事が起ったとき、世間のせいに
押しつける自己中心的な心の表れなのです。
私達の人生は都合の悪い事の方が多いかもしれません。
迷信とは、私達の都合を根とした自己中心的な心であり、人間
として本当に大切な事、後生の一大事を忘れている姿なのです。
真宗のみ教えは、あらゆる迷信に惑わされることなく、
どんな苦悩も引き受けて生きていくことが出来る道があることを、
私達に教えて下さっています。
どんな日も、私達に取ってはかけがえのない一日なのです。
法語の味わい
ー法語カレンダー1月号よりー
今年もあえた元旦会
阿弥陀様にご挨拶
当寺では、年末31日は除夜の鐘を撞くためにお参り下さった
皆様と、年の瀬勤行をお勤めし、共にその一年を振り返ります。
そして、勤行の終わった方から鐘楼に上がって頂き過ぎゆく
一年、迎える一年と高らかに鐘を撞いていかれます。
数分の間に新年となり、また本堂に入って阿弥陀様にご挨拶
されます。
真夜中なのですが、この日ばかりは新年となり、すがすがしい
気分で、阿弥陀様にご挨拶いたします。
コロナ禍では飛沫を避け、お茶のもてなしは失礼していました
が、ようやく本堂に皆様をお迎えできます。
阿弥陀様にご挨拶ください。
阿弥陀様も暖かいまなざしでお待ち下さっておられます。
南無阿弥陀仏
坊守便り
ー 阪神淡路大震災30年 ー
今年の秋から冬にかけて、何度か研修に参加致しました。
阪神淡路大震災発生から、三十年の節目となる年ということ
もあり、三度、神戸に伺う機会を得ました。
坊守会の研修では、寺院での学習と共に、阪神淡路大震災の
足跡も辿らせて頂く事となり、常時無料開放された屋外見学施設
である「神戸港震災メリアルメモリアルパーク」を訪ねました。
被災したメリケン波止場、崩れた岸壁、傾いた街灯など、
当時そのままの姿で保存されていました。
また安泉寺の日帰りバスツアーでは、防災・減災の世界的
拠点となることを目的とされている施設である
「人と防災未来センター」にまいりました。
震災発生の瞬間を再現した迫力のある映像上映や、被災者から
提供された数多くの資料展示もあり、衝撃を感じつつ学ばせて
頂きました。
また生野区仏教会研修では、東遊園地に伺いました。
1・17震災のつどいが行われている所ですが、ここに慰霊と
復興のモニュメントがあり、犠牲者の慰霊と市民の励ましの場
となっています。
また五月には能登地震の被災地に伺いました。
復興への道のりは長く、生活の復旧はまだまだです。
阪神淡路大震災から30年、伝え続けて下さるボランティアの
方々のお話を伺い、震災の遺構を巡り、災害復興への連帯の
メッセージを頂いてまいりました。
この安泉寺の在る生野の地からもお伝えし、協力して
いけたらと思うことです。 合掌
一月の行事
26日(日) 正午~ 同朋の会新年会
30日(木) 午前10時半~ ピラティス
*一月は1日より5日まで、お寺よりのお参りは
お休みさせていただきます。
二月の行事
6 日(木) 午前10時半~ ピラティス
15日(土) 午後2時~ 祥月講・同朋の会聞法会
♪ オリジナルソングとご法話の集い
ご講師 鈴木君代師・天白真央師
20日(木) 午前10時半~ ピラティス
ー P S ー
子供は先生の計画にはめてはいけない
自然の中へ放りだしておけ
先生の計画より子供の夢のほうがよっぽど大きいよ
小林宗作
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